9月17日(土)の3・4時間目に、本校特進コース2年生を対象として、熊本県立大学文学部日本語日本文学科准教授の岩田芳子先生による万葉集に関わる特別講義「不尽山の歌 文学研究ことはじめ」が行われました。
講義では有名な「田子の浦」の歌を題材に、原典である万葉集と、百人一首との微妙な字句の違いから、それぞれの作品内容の違いや、なぜこのような変化が起こったのかを、豊富なスライドを用いながらお話しくださいました。
これまでは新古今的な歌風による改変という観点から説明されることが多かったのですが、万葉仮名の読み方が異なっていたという観点からの説明は大変新鮮なものでした。学問の進展を感じさせる講義でした。
最後に先生が「目に見えない心の動きを、目に見える言葉を通して考えていくのが文学研究である」という意味のことをおっしゃったのが印象的でした。
高校では、一首について徹底的に掘り下げて考える機会がなかなかないので、生徒たちには新鮮で刺激的な体験となりました。岩田先生、ありがとうございました。